チートとは、ゲーム内で意図されたルールを無視し、本来の仕様を超えた行動を取るために不正な手段を用いる行為を指します。
英語の「cheat(だます・不正をする)」が語源であり、その名のとおり、ゲームの公平性を壊してしまう非常に問題のある行動とされています。
チートにはさまざまな種類があり、たとえばキャラクターの能力値を異常に引き上げたり、通常では通れない場所を通過できるようにしたり、敵の位置を常に把握できるようにするなど、多岐にわたります。
一部のオフラインゲームでは、あらかじめ開発者側が用意した「裏技」や「チートコード」が存在し、それを使ってゲームの進行を楽にしたり、変わったプレイが楽しめるようになっていることもあります。
この場合は、開発者の意図の範囲内にあり、娯楽としての遊び方のひとつとして捉えられることもあります。
しかし、これとは異なり、第三者が作成した外部ツールや改造プログラムを使用してゲームの挙動を変える行為は、多くのゲームにおいて「不正行為」として明確に禁止されています。
チート行為は、ゲームの持つ本来の楽しさや魅力を根底から壊してしまいます。なぜなら、ゲームというものは「制限の中でどう工夫するか」「失敗を重ねながら成長するか」といったプロセスにこそ、面白さの本質があるからです。
与えられたルールの中で勝利を目指したり、工夫して難所を突破したときに得られる達成感は、努力に裏打ちされたプレイヤー自身の成長によって生まれるものです。
しかしチートによって、それらのプロセスを一足飛びに飛び越えてしまえば、目先の爽快感は得られても、本来味わえるはずだった深い満足感は失われてしまいます。
本来なら数時間かけて攻略するボスを、瞬時に倒せてしまうようなチートを使ったとき、最初は優越感を感じるかもしれません。
しかし、それが繰り返されることでゲームの難易度や達成感は意味を失い、結果的に「ただの作業」に変わってしまうのです。
また、ゲームはストーリー、演出、音楽、システムなど、さまざまな要素が絡み合って作られる総合エンターテインメントです。
チートによってその一部が崩れてしまうと、ゲーム開発者が心血を注いで作り上げた“体験”が台無しになってしまうという側面も見逃せません。
本来なら驚きや緊張を感じる場面が、ただの通過点になってしまったとしたら、それはプレイヤーにとっても損失です。
オンラインゲームにおいてチート行為を行うと、非常に深刻な結果を招く可能性があります。これは単に「マナー違反」というだけにとどまらず、運営会社の利用規約に明確に反した行為として、厳しい処分の対象になります。
その最たるものが、アカウント停止や永久BAN(アカウントの無期限利用停止)といった措置です。一度でも発覚すれば、長年かけて育てたキャラクターやアイテム、実績がすべて失われるリスクがあるということを、あらかじめ理解しておく必要があります。
オンラインゲームでは、数百万人規模のプレイヤーが同じ世界を共有しており、その中で公平性が確保されてこそ、全員が気持ちよくプレイできる環境が保たれます。
しかし、チートを使って一部のプレイヤーが不正に利益を得てしまうと、そのバランスは一気に崩れてしまいます。
ゲーム内経済が荒れたり、ランキングが正しく機能しなくなったりと、他のプレイヤーにも大きな影響を及ぼしてしまいます。